社会福祉援助技術現場実習における実習生へのサポートに関する調査研究
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概要
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社会福祉援助技術現場実習に参加した実習生にとって、実習先で多様な困難や要求に直面することは、自己のあり方や動機、社会の課題などを深く考えさせるものである。その体験を積極的に活用するためには、ソーシャルサポートを受けて実習生が過剰なストレス負荷を抱えずに体験を整理することが重要であると考えられる。本研究では、実習生の評価に基づき実習にまつわるサポートについて、サポート源、サポート内容、その影響について探索的な横断調査を行った。その結果、実習生は大学教員、実習現場の職員(や利用者)、学生間の相互交流からサポートを受けていた。特に感情の吐露や共感、孤独感の低減といった情緒的なサポートは学生間の相互交流が中心であり、具体的な知識や実践スキル、状況理解といった道具的なサポートは現場から得るものが多かった。大学教員からのサポートは情緒的にも道具的にも高く評価されていた。学生が資質向上に向けた積極的な自助努力をするためには、現場職員や利用者との良好な関係性や大学教員からの情緒的なサポートが重要であった。振り返り評価による実習の困難感の低さと関連しているのは現場職員や利用者との良好な関係性のみであった。実習生の学びを高めるためにも、現場で受け止められる感覚と大学教員からの情緒面でのサポートが、適切に提供されるような環境づくりが重要な課題であろう。
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