暖地型イネ科牧草の採種に関する研究 : VI.グリーンパニックとカズングラセタリアの幼穂の発育・出穂および種子収量に及ぼす温度の影響
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概要
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グリーンパニックとカズングラセタリアの幼穂の発育・出穂および種子収量に対する生育温度の反応を明らかにするために,昼夜恒温のファイトトロンの20℃,25℃,30℃の各区で実験を行った。1)幼穂の発育段階はグリーンパニックでは,25°区が他の2区より進み,主稈が登熟期になると,茎間の変異巾も小さくなった。しかしカズングラセタリアでは幼穂の発育段階は,各温度区下でほぼ同ステージであったが,30°区の茎間の変異巾が他の2区より大きかった。2)出穂茎数は両草種とも25°区が最も多く,次いで20°区,30°区の順であった。3)1穂粒重は,両草種とも25°区が最も高い値を示したが,グリーンパニックでは,30°区,カズングラセタリアでは,20°区がそれぞれ25°区の約1/2で最も低い値を示した。4)両草種とも幼穂の発育,出穂,種子収量は25°区で好結果が得られた。しかしグリーンパニックでは,高温(30℃)によって幼穂の発育は遅延し,穂は小さくなり,1穂当たりの充実粒数,粒重は極端に減少することが認められた。一方カズングラセタリアでは,幼穂の発育は生育温度によって影響されず,穂は低温(20℃)で大きいことが認められた。
- 日本草地学会の論文
- 1982-07-28
著者
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