放牧における子牛の発育に及ぼす輪換速度の影響
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概要
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乳用去勢牛の放牧において,草地の不食過繁地の発生,採食草量,採食草の飼料価と消化率および牛の体各部位の発育と増体に及ぼす選択採食の効果を検討した。輪換放牧の方法は次のとおりである。すなわち第1群の去勢牛はオーチャードグラス主体草地の利用率を約30%になるように採食させ(速い輪換放牧-R区),第2群の去勢牛は,この草地の利用率を約70%になるように採食させた(遅い輪換放牧-S区)。R区の去勢牛は草体の上部を主として採食したが,S区の去勢牛は草体の下部まで採食した。草地の不食過繁地は,両区とも,その生成後1月目には消失し,また両区の間に不食過繁地の数のちがいはなかった。春・秋期には,牛のDCPとTDNの摂取量は両区ともかわらなかった。しかし,夏期には,両栄養素ともR区の牛のほうが摂取量が多く,特にDCPで著しかった。春・秋期には,採食草の消化率には両区間にちがいがなかった。しかし,夏期には,S区に比べR区で高かった。このちがいは,R区における採食草の消化率がシーズン中ほとんど変化しなかったのに対し,S区の夏期における採食草の消化率が春・秋期のそれより低くなったためであった。牛の体各部位すべての生長はS区よりもR区のほうがすぐれ,特に体長で著しかった。DGでは,春・秋期には両区ともあまりちがいがなかったが,夏期ではS区に比べR区で多かった。DGの推移は,養分摂取量の推移とよく一致し,特に夏期におけるこの2つの関係が注目された。
- 日本草地学会の論文
- 1978-04-30
著者
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