南方型牧草の再生に関する試験 : 第1報 ダリスグラスの再生長に及ぼす刈取り高さおよび残葉の影響
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概要
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1.暖地型牧草の一種であるダリスグラスを用いて,再生長に及ぼす刈取り高さおよび刈り残し葉の影響について^<14>CO_2をトレーサーとして検討した。2.再生部の伸長率は6日めまでは高刈のものほど伸長率が高いが,6日め以後は低刈のものほど伸長率が高かった。残葉の有無の差は低刈のものに大きく認められた。3.再生部の乾物重は刈取りの高いものほど急勾配に増加した。残葉の影響も明らかに認められ,低刈において大きかった。4.刈取りによる刈り株および根部の減少は高刈りほど軽く,回復も早かった。残葉の影響は高刈に大きく認められた。5.刈り株で同化生産が行なわれ,低刈りほど再生部での利用が多かった。また処理による差は根部に強く認められ,高刈ほど^<14>C-同化産物は根部へ早く転流した。6.これらの結果からダリスグラスは刈取り高さの高いほど再生長は促進されるが,1回当りの利用乾物重から見て,草丈40cm内外での利用の場合は5cm刈ぐらいが適当と思われる。その際に刈り残し緑葉を確保する刈取方法が必要と思われる。本試験は著者の一人田村の農林省畜産試験場飼料作物部第一研究室での研修中における研究結果の一部である。本研究実施にあたり,御指導と御便宜を戴いた飼料作物部長山田豊一博士,同第一研究室長川鍋祐夫博士,同研究室大久保忠旦技官,松本フミエ技官ならびに調査,分析に御協力を戴いた田野千枝子氏に感謝の意を表する。
- 日本草地学会の論文
- 1971-04-30
著者
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