看護技術習得過程における段取りシート導入の試み : 実習における活用状況からの分析
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概要
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看護系短期大学3年生(1年次に洗髪演習時に段取りシートを作成した者であり,領域別実習を全課程の3から4割を終了している)24名に,学内にて「段取りシート」を活用し,段取りをとるという考え方を技術習得過程に行ってきたことが,その後,実習において患者への技術提供時の考え方に活用できているかを調査した。本研究の結果から,学内での基礎看護技術において段取りシートを用い,段取りをとるという思考過程を技術習得時の過程に用いたことは,学生が看護技術を習得していく上で,有効であるという示唆を得ることができた。1.実習中の患者への看護技術提供時に段取りをとりながらすすめるという考え方を思い起こした学生は約8割であった。思い起こした場面としては,安全・安楽な技術を提供するための根拠をおさえた場面が約4割,技術を提供するための手順を考えた場面が約3割,看護技術の具体的な方法を考える場面が約2割であった。2.実習で段取りシートが活かされたとした学生は約9割であった。その活かされた状況としては,学内で記入した段取りシートにより技術の手順が頭に入っていたとするが約3割,意味づけやポイントが押さえられ,看護技術の方法に活かされていたが3割であった。3.患者に看護を提供していく上で,段取りをとるという考え方をもとに技術提供していくことが必要であるとほぼ全員の学生が感じていた。必要である理由は,安全・安楽などスムーズな援助を実施するためが約4割,個別への援助を実施するため,技術の基本的な理解や方法論を明確化するためが,それぞれ約2割であった。
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