複雑性適応系の為の潰伝的アルゴリズム拡張による発生のアルゴリズム(基研長期研究会「複雑系2」〜物理から生物・進化・ゲームへ〜,研究会報告)
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概要
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自然界に存在する様々な組織・システムは構造的には高度な階層性を持ち,又,機能的にはシステムの下位記述による上位記述性困難な創発性を持つ事によって,その自律分散機能を達成している様に見られる。自然システムの中でも特に特徴的である生命システムは,そのシステム記述を遺伝子によっており,その情報モデルとして「遺伝的アルゴリズム」が知られているが,このアルゴリズムでは自然システムの本質を形成するのに必須である創発性を実現する事が困難であり,その為に,適応事象の内部構造に複雑な階層構造を持つ様な場合には,適切な解取得が出来ない。本研究は,内部構造が複雑な階層性を持つ場合にも対処可能であり,又,創発性を生成する為のシステム記述を非線形の立場に置いた発生のアルゴリズムを試行するものであり,複雑適応システム構築の基礎的内容である。即ち,遺伝的アルゴリズムに於ける遺伝子記述に非線形要素を含ませる事による創発性の生成に係わる。各生物の持つ遺伝子記述に含ませた非線形要素であるリミットサイクルによる情報の多様化とそのリミットサイクル間の相互的又は強制的な引き込み現象に伴う大域な意味での新たな情報生成で行われる創発性に基ずく生命的な発生のアルゴリズムを提案する。
- 物性研究刊行会の論文
- 1994-02-20
著者
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米澤 保雄
愛知技術短期大学電子工学科情報処理コース
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米澤 保雄
愛知技術短期大学電子工学科情報処理コース:日本工業技術振興協会「遺伝的アルゴリズム研究委員会」:名古屋大学大学院人間情報学研究科物質情報講座
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