寒冷曝露が血液粘度および無酸素パワーに及ぼす影響(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
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概要
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高体温と血液粘度および無酸素パワーとの関連をみる研究はいくつかみられるが, 本研究は寒冷曝露による低体温と血液粘度および無酸素パワーとの関連に着目し, 健常で非肥満者男性5名を対象に検討した.全血粘度はずり速度22.5sec^<-1>, 45sec^<-1>, 90sec^<-1>, 225sec^<-1>, 450sec^<-1>で測定した.曝露前の値はコントロールの値とほぼ同じ値を示していた.しかし, ずり速度22.5sec^<-1>, 45sec^<-1>, 90sec^<-1>, 450sec^<-1>では曝露開始40分, 60分目と無酸素パワー測定後で, 寒冷曝露のほうが高い値を示す傾向がみられた.血漿粘度においては, ずり速度22.5sec^<-1>, 45sec^<-1>, 90sec^<-1>, 225sec^<-1>において曝露のほうが高い値を示す傾向がみられた.また, ずり速度が高くなるとコントロールと寒冷曝露の粘度差が小さくなる傾向がみられた.また, 寒冷曝露の全血粘度とRBC, Ht, Hbにおいて有意な正の相関を示す傾向を認めた.無酸素パワーのピーク値と比べると, コントロールに比べ曝露の値は約8.5%の減少を示した.以上の結果より寒冷曝露は, RBC, Ht, Hb値を増加させ, これにより全血粘度を上昇させること, また無酸素パワーのピーク値を低下させる傾向のあることが示唆された.
- 大阪体育大学の論文
著者
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