ラットにおける上肢の過重負荷および下肢の無負荷に伴う骨格筋収縮タンパクおよび調節タンパクの機能的特性の変化について(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
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概要
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本研究は、テールサスペンション法により、上肢の過重負荷および下肢の無負荷に伴うヒラメ筋、腓腹筋、そして上腕三頭筋の収縮タンパクおよび調節タンパクの特性を分析した。9週齢のWister系雄ラット(n=8, 310-360g body weight)を用いて、安静群(NT, n=4)とテールサスペンション群(TS, n=4)の2グループに区分した。それぞれのラットは飼育ケージを用いて飼育し、飼料と水は自由摂取とした。TS群は1日12時間のテールサスペンションを3週間おこなった。ペントバルビタールナトリウム麻酔下において、ヒラメ筋、腓腹筋そして上腕三頭筋を摘出した。TS群の下肢の筋重量はテールサスペンションによってNT群より有意に減少した(p<0.05)。逆に、上腕三頭筋では有意に増加した(p<0, 05)。SDS-PAGE電気泳動法のタンパク分画の結果は、ヒラメ筋、腓腹筋の下肢筋で、ミオシン、アクチン、トロポミオシンそしてαアクチニンが減少した。しかしながら、ミオシンとアクチンフィラメントの反応を阻害するトロポニンIだけが増加した。逆に、上腕三頭筋においては、ミオシン、アクチン、トロポミオシンそしてαアクチニンが増加し、トロポニンIは有意に減少した(p<0.05)。これらの結果は、過重負荷や無負荷においてアクチンフィラメントを構成している調節タンパクのトロポニンIが機構的機能を行っていると示唆された。
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