急速減量と緩徐減量が減量後および再給餌後のラットの体組成に及ぼす影響(平成16年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
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概要
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【目的】ラットを用い、減量速度の違いが減量後の体組成(実験I)と、再給餌後の体組成(実験II)に及ぼす影響について検討した。【方法】ラットを、(1)16日間(実験I)または21日間(実験II)自由に摂食させるControl群(C)、(2)ゆっくりと減量するように食餌量を制限するSlow群(S)、(3)減量期間の最後の3日間の絶食でSと同体重まで急速に減量するRapid群(R)に分けた。絶食最終日のRには飲水もさせなかった。すべてのラットにクライミング運動を行わせた。実験Iのラットは減量後に屠殺解剖した。実験IIでは減量後に餌と水を12時間自由に摂取させ、再給餌終了4時間後に屠殺解剖した。【結果】(1)減量後の骨格筋重量は3群間で差がなかった。(2)脂肪組織重量はどちらの減量を行っても減少するが、その減少量に差はなかった。(3)肝臓、胃、小腸の重量は減少はするが、その減少量はRで大きかった。(4)再給餌後、肝臓や胃の重量は回復するが、小腸や脂肪組織の重量は回復しなかった。(5)再給餌後の骨格筋や内臓重量はRとSで差がなかった。【結論】(1)減量速度に関係なく骨格筋重量は減少しないが、内臓重量の減少はRで大きい。(2)再給餌後の体組成は減量速度によって影響されない。(3)減量後の内臓重量はRの方が小さかったにも関わらず、再給餌後の内臓重量にRとSで差がなかったことから、再給餌による内臓重量の回復速度はRの方が速かったことが示唆される。