Behavior of Gauge Theories at Finite Temperature and Density (QCDでのクオ-クの閉じ込め(研究会報告))
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概要
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Wilson Loopに基ずいた、静的ポテンシャル及びeffective couplingの解析によって、次の事が分かった。(a)赤外領域において、有限温度及び有限密度で"Dimensional Parameter Trading"が、起こる事が分かった。この現象は、gluon、ghost、fermionの各ループにたいして、普遍的に起こる。その結果、(T,μ)に依存した有限なくりこみが誘起され、Debye Massに対数的な補正が加わる。さらに、この対数的な補正は、形式的には、ゼロ温度かつゼロ密度におけるrunning coupling constant g(s)において、sの代わりにT,μあるいはTとμのある関数を置き換えたものg(T,μ)に等しい。(b)(a)の帰結として、Debye massの2乗の符号は、g(T,μ)を通じてTとμに応じて変わり得る事になり、我々の結果が信頼できるのは、符号が正の場合であるとおもわれる。化学ポテンシャルμがゼロの場合は、QEDとQCDの振舞いは、対照的である。即ち、QEDでは、低温に限り、相互作用が弱くなる事が確かめられたのに対し、QCDでは、高温に限られた。QCDにおけるこの高温条件(39)は、quarkの自由化はある臨界温度以上でなければ起こらない事に対応していると考えられる。次に、μ≠0の場合は、以下の通りである。まず、QEDでは、T及びμが典型的なscaleに比べて小さい場合にのみ相互作用が弱くなる事を確かめた。QCDでは、T≫μの場合には、高温の場合に、また、T≫μの場合には、高温かつμが極端に大きくない場合((51)の第2式)にのみ相互作用が弱くなる事が分かった。したがって、逆に、μが大きくて、quarkの自由度がdominateしている場合には、quarkが自由になっているかどうかは、あまり明かな問題ではない。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1989-09-20
著者
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