長鎖アルキル基により機能化した新規有機色素を用いた高性能有機色素太陽電池(自己組織化技術,有機材料一般)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年、次世代太陽電池の一つとして注目されている色素増感太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに効率良く変換する電気化学的デバイスの一つである.この色素増感太陽電池は、様々な材料の組み合わせによって達成されるデバイスであり、重要な要素の一つは光吸収材料である増感色素である.一般にはルテニウム錯体が用いられるが、近年メタルフリーな有機色素(例えばクマリン系色素、メロシアニン系色素など)の開発研究が盛んになってきている.我々はこれまでの知見からカルバゾールを骨格とするドナーを用いた新規カルバゾール系色素の開発を行ってきた.その中でも4つのチオフェン環を持つMK-2を用いる系において、世界最高レベルの8.3%の太陽エネルギー変換効率(短絡電流密度15.2mAcm^<-2>、開放電圧0.73V、形状因子0.75)を達成した.この高性能の原因の一つは、酸化チタン電極中の電子とレドックスイオンとの再結合を抑制し、電子寿命ならびに開放電圧を向上させるMK-2色素の分子構造によるものであると考えている.さらに様々な誘導体の色素分子を合成し、その分子構造が太陽電池の光電変換特性にどのように影響するか詳細に議論する.
- 2007-10-19
著者
-
原 浩二郎
産業技術総合研究所
-
甲村 長利
産業技術総合研究所・光技術研究部門
-
Wang Zhong-Sheng
産業技術総合研究所・太陽光発電研究センター
-
甲村 長利
産業技術総合研究所・光技術研究部門 太陽光発電研究センター
-
原 浩二郎
産業技術総合研究所・光技術研究部門 太陽光発電研究センター
-
原 浩二郎
産業技術総合研 太陽光発電研究セ
関連論文
- M&BE分科会講習会「分子エレクトロニクスのニュートレンド」開催報告
- 長鎖アルキル基により機能化した新規有機色素を用いた高性能有機色素太陽電池(自己組織化技術,有機材料一般)
- 有機薄膜太陽電池の現状
- 共蒸着法によるp-i-n型有機薄膜太陽電池(分子薄膜デバイス・一般)
- 色素増感太陽電池の光電変換特性評価方法
- 高性能の色素増感太陽電池を目指したカルバゾール系有機色素材料の開発
- M&BE市民講座 : 「色をぬったら電気ができる! 有機太陽電池」開催報告
- 有機色素分子を用いた色素増感太陽電池
- CI-1-5 実用化を目指した有機色素増感太陽電池の研究開発動向(CI-1.環境・エネルギー問題の解決に貢献する有機材料〜有機エレクトロニクスからの提案,依頼シンポジウム,ソサイエティ企画)
- 研究室発2!! NEW技術シーズ(7)高性能の有機色素増感太陽電池