右鎖骨下動脈の起始異常と右反回神経相当枝の線維分析
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概要
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千葉大学における1973年の解剖学実習で,右鎖骨下動脈を大動脈弓の最終枝とする破格に遭遇した。1.この破格の発現頻度はおおむね0.5%である。2.右迷走神経幹は鎖骨下動脈の前を下行し,それを反回する分枝はないが,動脈の前を内上方に向かい喉頭に至る分枝がある。これは経過の途中で心臓,気管および食道に細い神経を多数分布する反回神経相当枝であり,喉頭に入る直前で迷走神経幹(第7頸椎の高さ)と吻合がある。3.反回神経相当枝起始部の有髄線維数は5241本(直径4μ以下のもの3182,4μ以上のもの2059)である。直径4μ以下の線維は約80%が上行性,20%が下行性である。これらの下行線維の大部分は迷走神経幹から吻合枝を経由して反回神経相当枝に流入したものである。直径4μ以上の線維は殆どが上行性であり,かつ経過の途中で分岐すると思われる。
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