腰椎前方椎体固定にともなう隣接椎間板の光弾性力学的研究
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概要
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腰椎前方椎体固定を施行することにより,非固定部椎間板にいかなる力学的負荷の消長が生じるかは未知の問題である。著者は腰椎柱姿勢との関連において椎体固定の際のほかの椎間板について二次元光弾性実験により力学的解析を行なった。三種の姿勢を異にする6椎体5椎間板からなる模型について,L_<3-4>固定,L_<4-5>固定,L_<4-5>・L_<5-s>固定に分類した。その結果,一般にL_<3-4>固定を施行すると非固定部椎間板の応力は均等配分化せられる傾向があるが,L_<4-5>固定例では,とくに直上椎間板の曲げ応力の増大と,直下椎間板の剪断応力が著しく増大し,腰椎前彎の増強とともに著しくなる。またL_<5-s>固定でも直上椎間板には剪断応力の増大がみとめられる。しかしL_<4-5>およびL_<5-s>の二椎間固定を行なうと非固定部椎間板の応力にはむしろ安定化がみとめられる。いかなるレベルの腰椎椎体固定においても,腰椎前彎の減少姿勢がより安定的であり,とくにL_<4-5>固定,L_<5-s>固定では腰椎前彎度の減少しうるように椎体固定位を工夫し,術後姿勢管理についても考慮する必要性を示唆した。
著者
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