転換畑の土壌水分が暖地型牧草の生育収量および体内成分におよぼす影響 : 第2報タンパク質含量および遊離アミノ酸組成

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土壌水分を2水準(乾区,湿区)に処理した転換畑圃場で栽培したシコクビエ,オオクサキビおよびロ一ズグラスの粗タンパク質,純タンパク質含量,および遊離アミノ酸組成を刈取期別に調査し,その草種間差異ならびに土壌水分条件との関係について検討した。得られた結果は次のとおりである。1.暖地型3草種の粗タンパク質含量,純タンパク質含量とも,葉身部は茎部より高く,刈取期別では2番草が最も高い値を示し,次いで3番草,1番草の順であった。草種間では1,8番草はローズグラス>シコクビエ>オオクサキビの順であったが,生育収量の最も多い2番草ではシコクビエ,オオクサキビのタンパク質含量がローズグラスよりやや優った。土壌の乾,湿処理の影響は明らかで各草種とも湿区の含量が乾区のそれを上回ることが認められた。また,粗タンパク質含量に対する純タンパク質含量の比率が草種間で異なり,とくに土壌湿区の2,8番草で高まった。2.牧草の新鮮葉と乾物葉では,遊離アミノ酸組成が著しく異なることが認められた。また新鮮葉の熱風乾燥予措は80%熱アルコールによる遊離アミノ酸の抽出総量を減じた。3.暖地型牧草3草種の葉身中遊離アミノ酸組成として,中酸性アミノ酸14種類,塩基性アミノ酸3種類の計17種類が,茎中ではプロリン,シスチンの2種類が含まれず15種類が検出された。アミノ酸総量の草種間差異は,葉身部でローズグラス>シコクビエ≒オオクサキビ,茎部ではシコクビエ>ローズグラス>オオクサキビの順であった。個々のアミノ酸組成については,ローズグラスでセリン,グルタミン酸が,シコクビエでアラニンが,オオクサキビでアスパラギン酸およびグラタミン酸濃度の高いのが目だった。一般にこれらの草種は土壌湿潤区で遊離アミノ酸総量が増大することが認められた。
1981-12-25

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