蚕豆の物質生産に関する研究 : 第2報播種期を異にした場合の青莢用蚕豆の生育・収量について

概要

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蚕豆の栽培は,松山地方における慣行として,1O月上旬を播種適期としている。そこで9月下旬より11月上旬にかけて10日間隔に播種して,播種時期の早晩が,その生育・収量および青莢の品質におよぼす影響について調査を行った。1).収穫時における草丈・乾物重・葉面積指数は,9月20日播区で最も高い値を示したが,青莢収量は,10月1日播区が高い値を示し,最も遅播の11月1日区ではその41%程度であった。また,品質についてみると,9月20日播では1粒莢を含むS階級の比率が高く,LおよびM階級の比率は,他の区におけるそれぞれの比率よりも低い値を示した。2).播種期別に各々積算温度を求め,生育時期別に乾物重との関係をみると,両者の間には,高い正の相関が認められた。3).生育に伴う器官別乾物割合の推移をみると,いずれの区も生育初期には葉身の占める割合が高いが,着蕾・開花・結莢期と生育のステージが進むにつれて,その割合がしだいに減少し,莢豆の割合が急激に増大する。4).播種時期別に乾物生産速度の推移をみると,9月20日播,10月1日播,11月1日播区では,伸長期から開花初期にそのピークが認められ,10月10日播,10月20日播区では,結莢・青莢収穫期までその値は上昇の傾向を示した。5).播種時期別にソラマメモザイクウイルス病の発生株率の時期的推移をみると,早播区では,早期発病が認められ,罹病程度も比較的激しいものが多くみられた。遅播すると発病株率は,開花初期頃までは,全般に低く経過するが,播種があまり遅すぎると,終花期頃から青莢収穫期にかけて後期発病株率の増大がみられた。
日本作物学会の論文
1979-01-15

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