サイレージ発酵に関する研究 : II.材料草の水分処理,サイロ内空気吸引処理によるサイレージ発酵の経時的変化
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概要
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オーチャードグラスの高水分(水分含量81.1%),中水分(水分含量72.8%),低水分(水分含量48.1%)とアカクローバーの高水分I(水分含量87.2%),高水分II(水分含量76.3%)をそれぞれ供試材料とし,ビニールサイロに埋蔵後,各水分区のサイロ内空気を真空ポンプにて35mmHg,45mmHg,無吸引の3吸引処理をしそれぞれの発酵状態を経時的に調査した。1.オーチャードグラスを水分処理した場合,サイレージ発酵における乳酸含量は中水分を境とし,それより水分が多くとも,低くても乳酸の生成を抑制する結果が認められた。また吸引処理による影響は吸引処理の強い区ほど各水分処理による特徴が強く認められたのに対し,無吸引処理では水分処理による特徴があまり強くは認められなかった。一方アカクローバーを供試材料とし,水分処理した場合,いずれの処理区とも高い乳酸含量を示し,水分処理による影響はオーチャードグラスほど強くは認められなかった。また吸引処理による影響は,いずれの水分処理区とも吸引処理の強い区が非常に高い乳酸含量を示した。2.オーチャードグラスに比較し,アカクローバーの場合plant juiceの流出から発酵開始までの時間が非常に長く,さらにオーチャードグラスではplant juiceの流出から乳酸発酵開始までの時間が予乾するほど長時間を要したのに対し,アカクローバーでは逆に予乾するほど発酵までの時間が短かかった。3.両草種におけるpHでは埋蔵初期にアカクローバーが高いが,その後減少が速く,最終的には両草種とも同様な値を示した。
- 日本草地学会の論文
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