超金融緩和政策の効果について
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概要
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本稿は,1973Q1から2004Q4までのデータを用いて,量的緩和政策を含む超金融政策期の金融政策の効果を分析している。サンプルを推計期間(1){1973:Q1-1992:Q4}及び(2){1993:Q1-2004:Q4}の二つ期間にわけて,それぞれの推計期間について,グレンジャー因果関係検定,VARモデル分析およびインパルス応答関数を適用して分析している。この分析では,超金融緩和期を含む推計期間(2)では,日銀当座預金残高増加の効果はない,ないし,小さい,ことを示している。この結果は,金(2006)で導出した共和分分析に関する結果と整合的である。さらに,『経済財政白書』(内閣府13年版-17年版)では,量的緩和政策の有効性についてのやや否定的な評価をくだしているが,それは本稿の結論とも整合であった。本稿は,金(2006:pp.151-172)を発展・拡張したものである。
- 2006-12-20