重力的輻射の反作用(重力波物理学,研究会報告)
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概要
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銀河中心にあると考えられている大質量ブラックホールとコンパクト天体の連星系は、有力な重力波源のひとつである。このような系から放出される重力波の理論波形を求めるために、コンパクト天体を質点と近似し、質量比を展開パラメータとするブラックホール摂動論を用いて考える。この時、精度の高い波形を与えるためには質点の正確な軌道を知る必要がある。質量比の最低次の議論においては、質点は背景時空の測地線に沿って運動すると考えられる。しかし、質量比の二次の効果まで考えると、質点の軌道と測地線の間にはずれが生じる。我々は、このずれを質点の(重力波輻射の反作用を含む)自己力によるものと解釈することができる。ここでは、自己力の効果を考慮した質点の軌道を求めるための方法を紹介する。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 2003-09-20