宇宙起源反陽子を求めて : BESS実験からBESS-Polarへ(実験観測に基づく統一描像の構築,研究報告会)
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概要
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BESS(Balloon-borne Experiment with a Superconducting Spectrometer)実験は,加速器実験で培われた超伝導・粒子測定技術を用いて開発された気球搭載型超伝導スペクトロメータによって, 1次宇宙線反陽子の精密測定や宇宙起源反物質の探索を行い,初期宇宙における素粒子現象を探求する実験である. 1987年より実験準備が始められ,現在はKEK・神戸大学・東京大学・宇宙科学研・NASA・メリーランド大学からなる日米国際共同実験として推進されている. 1993年の第1回気球実験で世界で初めて宇宙線反陽子の質量による同定を行ったBESS気球実験も今夏までで9回の宇宙粒子線観測を重ねることとなった.当初は僅か4例の1次宇宙線反陽子事象しか観測することができなかったが,その後の測定器改良により2000年には通算2,000例を超える反陽子事象を蓄積するに至っている.本稿ではこれまでのBESS実験での成果を簡単に紹介し,それらの成果を踏まえた展開として準備が進められているBESS-Polar実験の状況について報告する.
- 2003-06-20
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