安定性に対するσ-ω混合と真空偏極の効果I(ハドロン束縛多体系の相対論的取り扱い,研究会報告)
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概要
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σ-ω modelを用いたSdiwinger-Dyson formalismによって計算された核物質の基底状態の安定性を議論する。 Hartreeあるいは、H.F.(Hartree-Fock)の場合、まず、核子の固有解をSelf-Consistentに求め、それらの解を用いて中間子の運動方程式の、k^^→→0,k_0→0の極限での固有解を評価する。一方、Schwinger-Dyson formalismにおいては、核子の自己エネルギーΣと同様に、その計算過程で中間子の自己エネルギー(meson polarization Π^σ,Π^ω)もSelf-Consistentに計算しなければならない。この点は、他のformalismとの明らな違いと言える。その影響は、結合定数g_s,g_vを通して全体の計算に現れる。まだ三森氏の報告にある計算同様ここでの計算は、bare vertex app.を用いている。さきの三森氏の報告では、σ-ω mixingを考慮しない計算に於て、σ-mesonは、タキオン化(伝播関数の分母が大きなマイナスを示した)し、基底状態が不安定になっている様に見える。そこで、安定性の回復のために非相対論で指摘されているσ-ω mixingによる効果を考慮してみることにした。その結果、σ-ω mixingによる効果で、σ-mesonの伝播関数の分母の大きなマイナスは、解消できた。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1993-09-20
著者
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