ラップサイロの特性および調製貯蔵条件と発酵品質
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概要
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ロールベールをベールラッパで密封する調製技術が急速に普及しつつあるが,品質が不安定であることが指摘されている。ラップサイロの特性を明らかにするとともに高品質ラップサイレージを安定して調製するための条件を検討した。1.原料草の水分および物性とロールベールの平均乾物密度を調査した。さらに,ラップサイロ内の水分分布および乾物密度の変動を,試作した試料採取装置を用いて測定した。2.ラップサイロ内部の温度変化を調べたところ,ベール中心部の密封直後の温度上昇は密封遅延の影響が最も大きかった。ストレッチフイルムの色でベール表層部の温度は異なるが,品質に与える影響は少ないと判断された。他に,原料草の水分,梱包密度の高低および被覆破損が温度変化に影響した。3.サイレージ調製におけるフイルム被覆は,2〜3ケ月の短期間では4層巻で十分であるが,1年間の長期貯蔵では6層巻でも品質が低下した。2層巻は高水分乾草のくん炭化防止に有効である。4.ラップサイレージの調製はダイレクトカットによる高水分から乾草に近い低水分まで可能であるが,品質および生産コストからみてできる限り予乾した方が有利である。ただし,同時にロールベールの高密度化も必要である。
- 日本草地学会の論文
- 1995-01-31
著者
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