軽種育成馬の放牧管理 : 3.固定放牧地での追肥
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概要
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軽種育成馬の固定放牧では後半再生力衰退で過放牧に近い状態になるが,化学肥料を使う追肥を嫌う。輪換放牧では追肥後若干の休牧期間を置いて放牧利用するが,固定放牧では放牧が継続している中での追肥となる。肥料散布直後からの利用に問題があると感じ,このことを窒素と燐酸の施肥量(0,2,4,6kg/10a)を行動調査に結びつけ観察した。追肥直後は多量追肥区には馬は寄りつかない。しかし数日経ると追肥で再生草量の増加した多量追肥区を集中的に採食し,草丈の伸長を押えた。伸長が押えられ生長ステージが進まぬので,栄養組成も成熟へ向けての伸展を起こさない。牛の輪換放牧の場合は追肥による生育ステージの伸展で栄養組成が変わり,これが嗜好性を決定するのだが,馬の固定放牧では追肥で再生力が振起され現存量が増しただけであった。このような反応は窒素追肥に著しかった。
- 日本草地学会の論文
- 1994-07-30
日本草地学会 | 論文
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