ファインマン経路を使ってトンネル時間を考える(第6回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)
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概要
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「粒子がポテンシャル障壁をトンネルするときどれだけ時間がかかるのか」というトンネル時間の問題に対し、実時間ファインマン経路積分によるアプローチを行う。トンネル時間は「干渉的選択肢」であり、異なるトンネル時間の間の干渉のためトンネル時間の確率密度は定義できないと考えられる。しかし「トンネル時間の拡がりの幅」を考えることはできる。障壁の高さが一定でない場合に面白いことが起こりうる。まずトンネル時間の拡がりの幅が狭くなる可能性がある。薄くて高い障壁の場合には実際そうなる。さらに、h/(障壁の高さの揺らぎ)よりも十分大きなスケールでトンネル時間を考えるならば、「粗視化されたトンネル時間に対する近似的確率」を導入できる可能性がある。
- 物性研究刊行会の論文
- 1999-06-20