牧草の自由採食下における粗蛋白質消化の動的モデルの推定
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概要
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オーチャードグラス(102点)とアルファルファ(57点)をめん羊へ自由採食させて調べた消化試験の成績を用い粗蛋白質の摂取量(X_<CPI)>と排泄量(Y_<CPE>),DCP摂取量(Y_<DCPI>)および消化率(Y_<CPD>)との関係から,粗蛋白質消化の動的モデルを推定した。Y_<CPE>=a+(1-b)X_<CPI>,Y_<DCPI>=-a+bX_<CPI>で,bを粗蛋白質消化率の上限値,aを粗蛋白質の消化管内の遅延滞留量とした。Y_<CPD>=b'-a'/X_<CPI>の分数回帰式から消化率は,その上限値から摂取量に占める遅延滞留量の割合が引かれた値であった。消化管内の不消化粗蛋白質滞留量はaに粗蛋白質排泄量を加えた量とし,通過速度定数(Kp)を推定した。消化速度定数(Kd)は,粗蛋白質摂取量=不消化粗蛋白質滞留量×(Kp+Kd)の関係から求めた。粗蛋白質の含量(X_<CP>%)と消化率にはY_<CPD>=b-a/X_<CP>%の分数回帰式が適合し,bは真の消化率,aは内因性および微生物態物質からの粗蛋白質排泄量(内微量)の乾物摂取量に対する割合を近似的に示した。内微量=遅延滞留量+(真の消化率-消化率の上限値)×粗蛋白質摂取量の関係にあった。両草種とも生育季節や生育時期で値は異なったが,オーチャードグラスとアルファルファの,それぞれ,平均値で,粗蛋白質摂取量は8.3,16.5g/kg^<0.75>,真の消化率は92,96%,消化率の上限値は82,88%,遅延滞留量は1.2,1.7g/kg^<0.75>,内微量は2.0,3.0g/kg^<0.75>,Kpは0.69,0.69,Kdは1.40,2.45,充満量は7.8,10.8g/kg^<0.75>であった。
- 1991-04-30
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