牧草の自由採食下における乾物消化の動的モデルの推定
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概要
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オーチャードグラス(102点)とアルファルファ(57点)をめん羊へ自由採食させて調べた消化試験の成績を用い乾物摂取量(X_<DMI>)と乾物排泄量(Y_<DME>),可消化乾物摂取量(Y_<DDMI>)ならびに乾物消化率(Y_<DMD>)との相互の関係から,乾物消化の動的モデルを推定した。Y_<DME>=a+(1-b)X_<DMI>, Y_<DDMI>=-a+bX_<DMI>,でbを乾物消化率の上限値,aを消化管内の乾物遅延滞留量とした。Y_<DMD>=b'-a'/X_<DMI>, の分数回帰式から,乾物消化率は消化率の上限値から摂取量中に占める遅延滞留量の割合が引かれた値であった。両草種とも生育季節でこれらの値は異なったが,平均ではオーチャードグラス:b=0.86, a=13.9g/kg^<0.75>,アルファルファ:b=0.79, a=12.8g/kg^<0.75>であった。消化管内の不消化乾物滞留量はaに乾物排泄量を加えた量とし,通過速度定数(Kp)を推定した。消化速度(Kd)は自由採食量=不消化乾物滞留量×(Kd+Kp)の関係から求めた。牧草の生育に伴ってKdは消化率以上に変化したが,充満量とKpの変化はわずかであった。また,牧草の生育季節が異なるとこれらの値も異なった。消化管内の乾物の充満量(g/kg^<0.75>),Kp,Kdの平均値は,それぞれ,オーチャードグラス:72.4, 0.62, 1.05,アルファルファ:8.52, 0.70, 1.19であった。
- 日本草地学会の論文
- 1990-07-31
著者
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