家族介護者の家族会参加による介護への適応モデル
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概要
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本研究は,家族介護者支援に関する指針を得ることをねらいとして,ロジャーズの理論を援用し,家族会参加による家族介護者の共感的関係と家族介護者の創造的な適応との関連を明らかにすることを目的とした。調査対象は,A県の「認知症の人と家族の会」会員375名とし,そのうち,郵送による質問紙調査によって回答が得られた125人を集計対象とした。家族介護者の家族会参加による介護への適応モデルは,共感(下位概念:他者からの肯定的配慮,他者への肯定的配慮,他者の受容)と適応(下位概念:認知症の家族員の理解,自己一致,介護の見通し)を要素に因果モデルを構成した。前記因果モデルのデータへの適合性は構造方程式モデリングを用いて検討した。因果モデルのデータへの適合度は,CFI=0.921,RMSEA=0.070であった。共感から適応への係数は正の方向で0.79で,統計学的に有意な水準を満たしていた。本研究の結果から,家族介護者支援において,他者からの肯定的な配慮や他者への肯定的配慮を感じ,他者を受容することを重視した共感的な関係の維持・増進の重要性が示唆された。
- 日本保健科学学会の論文
- 2007-09-25
著者
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