経済発展,民主主義,不平等 : 横断的国家データを用いた計量分析
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概要
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本研究の第1の目的は,経済発展と経済成長のどちらが民主主義の発展に寄与するのかを横断的なデータによって分析することにある.民主化の原因を経済に求めることは一致していても,経済発展なのか経済成長なのかは,論者によって議論が分かれている.分析の結果,民主化の条件は経済発展であることが明らかとなった.第2に,経済が民主主義を促進する社会的条件,特に社会的不平等の役割に着目し,所得不平等・民主主義・経済発展の関係を明らかにする.この分析においては,経済発展,民主主義,所得平等化という順次的効果のモデルと,経済発展が民主主義を促進しながら所得の不平等化も促進し,所得不平等の影響が反民主化をもたらすというモデルを分析する.前者のモデルが部分的に支持された.経済発展による社会的葛藤の増大は,その調整機構としての民主主義を必然的に作り出し,その結果,不平等は民主主義によって減少していく.
- 札幌学院大学の論文
- 2006-12-25
著者
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