男子高校生を対象とした学校における個別栄養相談の実践について : 行動の継続を目的とした支援方法の検討
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概要
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近年、学校における個に応じた栄養相談の必要性が高まっている。平成15年度より山口県内某高等学校の協力を得て肥満傾向のある男子生徒を対象に肥満予防を中心とした栄養教育が行われてきた。その結果、生徒に生活習慣の変化が複数見られたものの、実践へ繋げることは難しく、今後更なる継続への支援を行うことが課題とされた。また、学校で行う個別相談は教員からの呼びかけによる参加であるため、(1)健康への意識が低い生徒へのアプローチ方法や、(2)相談時間の確保が困難な状況であること、(3)相談者との信頼関係を築くこと等を考慮しなくてはならない。そこで、本研究では先行研究で得られた成果^1)2)を踏まえ、相談者の意識の向上、更には行動の継続を目的とした学校における個別相談を効果的に行うための工夫・支援方法を検討した。全体的な評価は、毎学期高校で実施される身体測定結果及び、食生活や身体活動に関する質問紙調査による前後比較にて考察した。一方、個別の評価は相談時の生徒の発言内容や実践記録表の活用等で行った。相談は、平成17年7月〜11月(実施回数 : 5回)に、1〜3年の男子生徒16名(身体測定結果より肥満・隠れ肥満傾向があり、食生活に関するアンケートの点数が低い生徒17名を抽出し、養護教諭の呼びかけに応じた者)を対象に実施した。初回相談にて対象者は無関心期4名、関心期8名、準備期3名、実行期1名(行動変容段階モデル : Glanz, Kら)^3)の状況であった。相談の際、第2回から第4回にかけて生徒自身が行動目標を設定し取り組んだ結果、意識の向上が見られた生徒が16名、目標に取り組んだ生徒が14名、その目標を3ヶ月間かけて継続した生徒が8名であった。今後、同じような条件で個別相談を行う際には、生徒のニーズを把握しそのニーズに沿った目標設定をするまでに最低3〜4回の相談を重ねることが重要である。また長期休みを利用する等行動を起こしやすい状況を設定し、手紙やメールなど時間や場所を拘束しない手段を交え長期的に支援することが必要である。
- 2007-03-25
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