反応時間を指標とした虚偽検出の試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、課題に対する反応時間によって虚偽検出が可能であるか検討した。また、反応時間を指標とした虚偽検出に画像刺激と文字刺激のどちらが有効かについても同時に検討した。16名に模擬窃盗を行わせ有罪群とし、模擬窃盗を行わなかった16名を無罪群とした。模擬窃盗は、実験室に進入し、棚の中の財布からお金を盗むという内容であった。虚偽検出課題としてdot-probe探査課題を用いた。この課題では、刺激対を呈示し、その後それらの刺激対のどちらか一方に呈示されるドットの位置をボタン押しによって回答させた。刺激対は、画像刺激の組み合わせか、文字刺激の組み合わせを用いた。裁決項目に対する反応時間が速ければ、裁決項目に対して注意を向けたことを示す。実験の結果、財布画像を刺激として用いたとき、有罪群において無罪群よりも有意に裁決項目に対して速く反応することがわかったが、他の刺激項目では差は認められなかった。また、画像刺激対を用いた場合に、有罪群の裁決項目に対する反応時間が速くなる可能性が示された。このことから、反応時間を指標とした虚偽検出は、刺激の種類によって有効性に差がある可能性が示された。
著者
-
古満 伊里
東亜大学総合人間・文化学部心理学研究室
-
小林 一生
広島県警察本部刑事部科学捜査研究所
-
藤原 裕弥
東亜大学総合人間・文化学部総合人間・文化学科
-
古満 伊里
東亜大学総合人間・文化学部総合人間・文化学科
-
藤原 裕弥
東亜大学総合人間・文化学部
関連論文
- P300による虚偽検出は長期間経過後でも可能か?
- 反応時間を指標とした虚偽検出の試み
- 1ヶ月及び1年経過後の虚偽検出における記憶活性化の影響
- 15. α波バイオフィードバックの最適訓練法について(第15回 日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 12. α波バイオフィードバック訓練における主観的状態についての検討(第14回 日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- α波バイオフィードバック技法に関する比較研究 : α波強化課題を用いて
- 演題18.マルチフィードバック療法が奏効した過敏性腸症候群の1例(第28回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 犯罪場面の事前呈示はP300による虚偽検出の正確性に影響するか?
- 対処方略の採用傾向が課題成功・失敗時の心理的ストレス反応に及ぼす影響
- 演題7. 脳波の帯域別バイオフィードバックについての可能性(第23回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(一般発表)
- 演題6. バイオフィードバックに関する基礎研究(第23回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(一般発表)
- 演題8 心身症患者に対するバイオフィードバック療法 : マルチフィードバック法を用いて(第18回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 心理学における意識と脳の科学的研究(「からだ」)
- 分化強化パラダイムによるα波バイオフィードバック訓練
- 不安と抑うつにおける認知バイアスに関する研究(展望)