東北地方の草地分布とその立地 : 岩手県
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概要
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弧状列島を形成する日本の中で東北地方は東日本島弧系としてプレートテクトニクス説に則り,立地機構を説明するのに好適地とされている。地殻変動による有効水量低下箇所に草原が成立しやすい。岩手県は本州で公共草地の数と面積が最大である。太平洋側の中・古生代北上準平原とこれ以西の日本海にいたる新生代火山関連域に判然と分かれ,前者の塩基性岩域に短草,酸性岩域に長草,後者では溶岩台上に短草,火山灰域に疎林の下草として長草が分布していた。北上準平原と玉川大規模火砕流堆積域の低地力無住台地に造成された公共草地の数は県全体の8割,面積で9割になる。日本の草原草地が大気候帯区分(zonal)での成立ではなく,局地的(inter zonal)に有効水量が低下する立地,例えば地殻変動線沿いに集中分布するためである。
- 日本草地学会の論文
- 1996-01-31
日本草地学会 | 論文
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