草地植生の比較を目的とした拡張積算優占度の提案
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概要
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草地植生の調査では,群落内の構成種の量的優劣関係を総合的に示す指数として積算優占度(SDR, Summed Dominance Ratio)が広く用いられてきた。しかし,群落構成種の優占度の時間方向の変化や他の群落に含まれる同じ種の優占度について,積算優占度の値の大小では植生の量的変化やその相違を論ずることはできない。そこで,積算優占度の算出に必要な各測度の最大値を1つの植物群落の構成種の中から選ぶのではなくて,比較したい複数のすべての群落から最大値を選び,その値に対する相対値によって優占度を求めた。このようにして求めた積算優占度を従来の積算優占度と区別するために,拡張積算優占度(E-SDR, Extended Summed Dominance Ratio)と名づけた。東北地域のススキ型草地の植生調査の結果を用いて,拡張積算優占度と従来の積算優占度を比較検討した。ススキの積算優占度の値が各処理区とも11年間100であったのに対し,拡張積算優占度ではススキの量的消長が各処理区においてそれぞれ特徴的に表現され,この指数が有効であることを実証した。
- 日本草地学会の論文
- 1995-04-30
著者
-
山本 嘉人
草地試験場:(現)九州農業試験場
-
桐田 博光
畜産草地研究所
-
大賀 宣彦
千葉大学理学部
-
桐田 博充
草地試験場
-
斎藤 吉満
畜産草地研究所:(現)畜産草地研究所
-
桐田 博充
畜産草地研究所
-
斎藤 吉満
草地試験場
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