骨再生に適した3次元足場材料としての自己組織化ペプチドハイドロゲル
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概要
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1980年代に提唱された組織工学という概念が,研究の発展に伴い,近年,現実的な医療として社会の注目を浴びている.組織工学に必要な足場材料は,ポリ乳酸などの合成ポリマー,βTCPなどの生体親和性の高い多孔性無機材料,天然ECMの精製物などが使われてきたが,化学合成品の持つ安全性と,真の3次元的環境を提供するECMの,両方の特徴を併せ持った足場材料は,これまでのところ実用化されていない.1993年にMITで開発された一連の自己組織化ペプチド("PuraMatrix^<TM>")は,生体内に存在するアミノ酸のみから構成されており,生理的条件化で直径10nm程の繊維を形成し,ハイドロゲルとなる.これまでに種々の細胞の生着,増殖が確認されており,また,生体内へ細胞なし,または細胞と共に注入することによって,骨,脳,心筋の損傷部位の再生を促すとの報告がある.動物を用いた安全性試験の結果を踏まえ,歯槽骨の再建のための生体材料として期待が持たれている.
- 2005-12-30
著者
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