天然林施業技術の評価と課題 : 天然林施業が定着できず森林劣化が起こった技術的問題点の総括(<特集>天然林施業に貢献する生態学)
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概要
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大正・昭和前期に国有林で行われた択伐作業の失敗原因や,1928年林学会で論議された天然林施業を導入することの可否論について分析した。また北海道国有林での択伐作業による森林劣化事例,定山渓国有林や東京大学北海道演習林の30年以上にわたる天然林施業の成果を解析した。分析の結果,天然林施業による森林劣化の主要な要因は,高い伐採率と更新の不確実性への技術的対応の欠如にあると結論づけた。前者は経営技術の改善により解決でき,後者は個々の種の更新に関係する生活史の解明によって確実な森林の再生が可能となる。特に構成種の更新特性,被圧耐性を解明して,前生稚樹の保育,天然更新,補植などが有効であるとした。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 2003-08-16
著者
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