スギ高齢人工林における胸高直径成長と林分材積成長
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概要
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奈良県川上村にある林齢101〜229年生のスギ7林分で胸高直径成長や幹材積成長を調査した。調査林分は,平均樹高が29〜50m,平均胸高直径が46〜106cm,収量比数が0.37〜0.68,林分幹材積が890〜1,690m^3ha^<-1>であった。各林分における個体の定期平均胸高直径成長量は,大きい個体ほど大きくなる傾向が認められた。7林分の定期平均胸高直径成長量は0.21〜0.37cm yr^<-1>で,スギの適地では密度管理によって200年生前後まで胸高直径成長量を0.2〜0.4cm yr^<-1>に維持することが可能であることを確認できた。定期平均幹材積成長量はすべての林分で10m^3ha^<-1>yr^<-1>以上を示し,4林分では16〜19m^3ha^<-1>yr^<-1>と大きかった。一方,林分密度管理図を利用して推定したスギ高齢林の林分幹材積と平均胸高直径は,実測値に比べ過小であった。林分密度管理図で実用上問題ない林分幹材積を推定するには,実測胸高直径を利用して補正幹材積を求めればよいことがわかった。
- 日本森林学会の論文
- 2005-10-01
著者
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