地震学・実践・ネットワーク : トルコにおける地震観測の人類学的観察(<特集>科学技術の人類学)
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概要
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かつて-あるいは理想化された過去において-人類学のフィールドは科学技術から遠く離れた場所であった。しかし、もはや科学技術が世界の隅々までその影響を及ぼしているという認識[e.g.福島2005]は、あえて具体例を示すまでもなく、多くの人類学者に共有されているといえる。本論文はこうした状況を踏まえ、科学技術に対しひとつの人類学的な記述を試みるが、これは同時に、そうした記述を通じて「社会」と「科学」の関係性を考え直そうとする試みでもある。一般的に見て、人類学からの科学技術に対するアプローチの方向性には、それが社会にどのように浸透しているかを分析するものと、科学技術が生み出される現場そのものを分析するものの二つがありうるだろう。本論文で筆者が行なおうとするのは後者である。本論文では科学論の分野で展開されている「人類学的」手法を参照しながら、トルコのある地震観測所における科学的知識を生産するプロセスが分析され、その科学的な営みにおいて社会的な要素がどのように構成されているかが考察される。
- 日本文化人類学会の論文
- 2007-03-31
著者
関連論文
- スザンナ・M・ホフマン、アンソニー・オリヴァー=スミス編/若林佳史訳, 『災害の人類学:カタストロフィと文化』, 東京, 明石書店, 2006年, 327頁, 3,600円(+税)
- 地震学・実践・ネットワーク : トルコにおける地震観測の人類学的観察(科学技術の人類学)
- 暗い未来に抗して : トルコ・イスタンブルにおける地震とコミュニティ
- 回帰する「8月17日」--トルコにおける地震の集合的記憶をめぐって
- 災害の人類学的研究に向けて
- イスタンブル、耐震都市再開発プロジェクトの時間性 : 都市変容の人類学に向けて(都市に(が)居座ること)
- 序 都市に(が)居座ること : 都市の人類学に向けて(都市に(が)居座ること)
- 東日本大震災によせて(資料と通信)