一般演題 30 電離放射線マウス全身照射における各種臓器での分断化LyGDIの発現
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概要
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電離放射線に被曝したかどうかを知るためには物理化学的に照射線量がどの程度であったかを予想し,また,実際に測定することが行われる。一方,動物個体が受けた放射線の量をその個体の生物学的な変化から測定するための方法については,生化学的な手法が未だ確立されていない。血液像の変化は実際に被曝した個体で検出されるが,被曝線量が0.5Gy以下の場合は検出することが難しく,0.1Gy以下になると臨床的には無症状で非被曝個体との差異は全く無い。また,染色体異常の生成頻度を測定することはひとつの方法ではあるが,被曝直後の検体では難しい上に,その検出感度は高いとは言えない。私たちはマウス胸腺系培養細胞において,低分子量G蛋白Rhoファミリーの制御因子であるLyGDI(RhoGDIβ, RhoGDI2, D4GDI などとも呼ばれる)が電離放射線被曝後に分断化することを見つけている。本研究では,この分断化がマウス個体レベルでの生物学的な放射線線量測定に応用可能かどうかを調べた。その結果,マウス個体においてLyGDIの分断化は有用な放射線被曝の指標となり得ることがわかった。
著者
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達家 雅明
広島大学原爆放射能医学研究所放射線応答研究分野
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太田 隆英
金沢医科大学総合医学研究所・分子腫瘍学研究部門
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太田 隆英
金沢医科大学総合医学研究所分子腫瘍学研究部門
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前田 雅代
金沢医科大学医学部生命科学科目
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周 新文
蘇州大学放射線公衆衛生学部
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達家 雅明
広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害制御研究部門ゲノム応答研究分野
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達家 雅明
広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム応答学
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