自己効力感を大切にした高齢者の体力水準評価 : 10段階による分かりやすい評価基準作成の試み
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概要
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本研究は日本人高齢者の体力(ADL)について,高齢者の自己効力感を重要視した10段階評価基準の作成を試みた.被験者は60-90歳の男性106名,女性697名で,5歳刻みで評価基準を作成した.体力テスト項目は,1)開眼片足立ち,2)10m障害物歩行,3)握力,4)長座体前屈,5)椅子移動,6)椅子立ち上がり,7)ステッピング,8)一歩足踏みだし,9)シャトルスタミナウォーク,10)歩幅の10項目とした.すべての項目に対して5歳刻みの年齢毎に平均値および標準偏差を算出した.10段階評価のうち,平均値を10段階のうちの6になるように設定し,各段階は平均値±0.25SD(標準偏差)ずつ移動して,10段階評価基準を作成した.この考え方(平均値と6とする)は高齢者の自己効力感を少しでも満たそうという考えからである.すなわち,平均点が100点満点中の50点よりも60点であれば,感覚的に満足感が高いと考えられるからである.満足感が高いことは高齢者のやる気を引き出し,このことが健康教育に繋がる可能性がある.本研究ではこのような評価基準の作成は高齢者の体力評価の一つの提案と位置づけている.The author tried to make a 10-phase evaluation chart of physical fitness on Japanese elderly men and women aged 60 to 90. This study valued self-efficacy of elderly on the making the 10-phase evaluation. Physical fitness test was conducted on 106 men and 697 women. The test items were 1) one-leg balance with eye-opened, 2) 10 meters walking getting over obstacles, 3) grip strength, 4) sitting trunk flexion, 5) moving test between 2 chairs intervals, 6) 30-second squat times on the chair, 7) both legs stepping times for 30-second sitting on the chair, 8) forward step times for 30-second, 9) shuttle stamina walk for 3 minutes, and 10) step length with comfortable speed. Mean values and standard deviations were calculated as for every 5 years old on 10 measured items. Mean value of physical fitness of this study population was set at 6 of 10 phases and the range of each phase was mean value ± 0.25 standard deviation. Self-efficacy of elderly people must be considered to evaluate physical fitness, because one of important meaning of physical fitness test must be raising-up the motivation for exercise. Tables of 10-phase evaluation were made on the each test with distinction of age and sex for every 5 years old. This study was one suggestion for evaluation method of physical fitness on elderly people.
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