肺癌集団検診の発展と今後の展望(第21回肺癌集検セミナー)
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概要
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目的.肺癌集検を見直し,今後の展望を得ることを目的とした.方法.わが国の現状および内外の研究成績をレビューして検討を行なった.結果.(1)わが国の肺癌死亡は男女ともほぼ直線的に増加しており,喫煙状況を勘案すると,このままでは世界で最も高率な国になる可能性もある.禁煙連動を強力に進めることは必須である.(2)1987年より実施されている肺癌検診の受検者は年間約750万人に上っている.症例・対照研究では効果が認められているが,精度が高くなければ効果がないことも確かである.ただし,現行の肺癌集検を一度中止すれば再開は不可能である.精度をより高く維持しつつ,従来の検診を継続することが望まれる.(3)従来法に比しCT検診が優れていることはほぼ確実となったが,公的な実施にはなお時間を要する.可能なところで,可能な形でCT検診を実施し,将来に備えることが望まれる.結論.肺癌検診には批判が強いが,禁煙運動の強化,精度をより高くした従来法による肺癌検診,ならびに,CT検診の意欲的試行の3つに努め,わが国の肺癌対策の向上に寄与したい.
- 日本肺癌学会の論文
- 2006-12-20
著者
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