1.環境基本法を読む
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概要
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細川内閣の下で1993年11月に成立した『環境基本法』は我が国の環境保全についての総合的な法律である。しかし,残念ながら短所が日立つ。先ず環境権を認めておらず,環境アセスメントが法制化されていない。また環境基本計画の内容が曖昧であり,情報公開や住民参加の制度が保障されていない。さらに国際的な環境問題への対応や規制が不十分である。とはいえ,この法律を評価しうる点もある。環境の恵沢を享受するのは「国民」ではなく「人間」とされ,生態系の保全を規定し,「環境への負荷の少ない健全な経済」の持続的発展を考えたこと,地方公共団体の権限を積極的に規定し,事業者の責務を加重したこと,再生資源の利用促進の規定,環境教育の規定,地球環境保全等支援を明記したことなどは評価できる。この法律『環境基本法』をどのように有効に活用していくか。それが今後の課題である。
- 京都教育大学の論文
- 1995-03-31
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