患者と家族による介護保険施行後の退院計画の評価
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概要
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本研究の目的は,患者と家族による退院計画の満足度に関連する退院計画内容を明らかにすること,退院計画の評価に対する患者と家族間の関連の有無を示すこと,そして探索的因子分析を行い,退院計画の評価内容の構造を検討することである.調査は,退院計画を展開された患者とその家族61名を対象者として,自記式質問紙により行った.分析対象者は,患者22名(回答率36.1%)と家族37名(回答率60.7%)である.分析の結果,以下の知見を得た.(1)患者による退院計画の満足度に関連がみられた評価項目は,「退院後の治療の必要性についての病院からの説明」「退院後の生活にあった保健福祉サービスの十分な検討」「退院先を十分に検討するための病院からの助言」「退院後の具体的な介護方法の説明」「退院後の保健福祉サービスの円滑な利用」「入院中から退院後の生活に向けた準備期間の獲得」「退院後の生活の不安の解消」「退院後の今現在の安心した生活」であった.一方,家族では,「退院時の身体の回復程度についての病院からの説明」「退院後の生活の注意点についての病院からの説明」「退院後の生活や治療に対する病院への希望」「退院後の社会福祉サービスについての病院からの紹介」「退院後の生活の想像(イメージ)」等であった.(2)退院計画の評価の12項目において,患者評価と家族評価の間に相関が示され,完全ではないが,評価の一致性が認められた.(3)家族による退院計画の評価を因子分析した結果,「退院後の療養程度の説明」,「社会資源の理解」,「生活にあったサービスの適用」の3つの因子が抽出された.累積寄与率は77.9%であった.以上により,退院計画を評価する際,注目すべき内容が示唆された.
- 日本赤十字看護大学の論文
- 2003-03-10
著者
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