椎間板変性におけるBaxを介するアポトーシス誘導に関する研究
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概要
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目的:ラットモデルを用い,椎間板変性におけるアポトーシス誘導因子Baxと抑制因子Bcl-2の発現とそれらの役割を明らかにする。対象と方法:ラット尾椎椎間板に圧縮負荷を加え,一定期間経過後に椎間板を摘出した(各n=12)。病理組織学的観察により椎間板変性程度を半定量的に評価し,TUNEL法にて各群の髄核と線維輪における標識率を計測した。さらにBaxとBcl-2遺伝子のメッセージ発現をreal time RT-PCRにて定量解析すると共に,免疫染色にて蛋白レベルの発現と局在を検討した。結果:圧縮負荷群では細胞数減少,細胞外基質の濃縮と乱れなど椎間板の変性が観察され,その程度は経時的に進行した。TUNEL標識率は線維輪は1週群より,髄核では2週群より経時的に増加した。Real time RT-PCRによる解析では,髄核におけるBax遺伝子発現はsham群と比較し2週群より経時的に亢進し,またBcl-2遺伝子は2週群のみ増加し,4週群では前借まで低下した。線推輪ではBax遺伝子は1週群から経時的に発現亢進し,またBcl-2遺伝子は2,4週群で発現亢進を認めた。蛋白レベルでも圧縮負荷群の椎間板髄核および線維輪細胞にBaxとBcl-2の発現が観察された。結論:圧縮負荷により線推輪ならびに椎間板髄核細胞で発現亢進するBaxが,それら細胞のアポトーシス誘導とそれに引き続く椎間板変性において重要な役割を演じていると考えられた。
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