親潮水の水質の10年スケール変動とその要因
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概要
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親潮は二つの起源水,オホーツク海水(Okhotsk Sea Water; OSW)と北太平洋西部亜寒帯水(Western Subarctic Gyre Water; WSAGW)で構成されると考えられている。親潮水の水質が,起源水自体の変動と,起源水の混合の割合が変動することに起因するという観点から北海道南方海域での親潮水の10年スケールの変動を調査研究した。北海道南方での41°30'N(PH線)に沿った親潮水の水質変動と両起源水の変動との間には,明確な対応がみられず,親潮水の水質の10年スケール変動の主要因は両起源水の混合比変動であることが示唆された。PH線における親潮水中でのOSWとWSAGWの混合比(Rw)の変動には,水温・塩分に比べ溶存酸素とリン酸塩の化学成分で10年スケール変動がより顕著であった。親潮水の混合比変動の要因の1つとして,北太平洋上における大気循環場による影響が示された。
- 2007-01-05
著者
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高谷 祐介
函館海洋気象台海洋課
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岩尾 尊徳
函館海洋気象台海洋課
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宮尾 孝
気象庁地球環境海洋部海洋気象課
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緑川 貴
気象研究所地球化学研究部
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齊藤 一浩
神戸海洋気象台海洋課
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緑川 貴
気象研究所
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