海色衛星によって観測された富山湾における1998年と1999年のクロロフィルα濃度分布
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
沿岸域での海色衛星データの有効性を示すために,1998年と1999年の富山湾での海色衛星SeaWiFSのクロロフィルαデータを解析した。富山湾の湾外と湾中央では春季と秋季に二回の季節的なブルームが見られ,これは日本海全般に見られる季節的な温度成層の変化に対応した現象である。一方,湾奥では夏季に衛星のクロロフィルα濃度が減少せず,その分布は表面塩分と比較的よく対応していたことから,河川水などからの栄養塩の供給によってクロロフィルαが増加していることが示唆された。また,衛星で観測されたクロロフィルα分布の短期変動によって,反時計回りの流動が存在することと,間欠的な対馬暖流の流入によって湾奥の水が湾外に運び出されることが示された。しかし,定量的には,衛星で観測されたクロロフィルα濃度と比較可能な現場データが少なく,今後しっかりと検証をする必要がある。
- 日本海洋学会の論文
- 2007-01-05
著者
-
石坂 丞二
長崎大学水産学部
-
笠原 一世
富山大学理学部
-
石坂 丞一
Nagasaki Univ. Nagasaki Jpn
-
大西 美奈
長崎大学水産学部
-
長田 宏
(独)水産総合研究センター西海区水産研究所
-
白山 肇
(財)環日本海環境協力センター
-
内山 勇
(財)環日本海環境協力センター
-
寺内 元基
(財)環日本海環境協力センター
-
Ishizaka J
Nagasaki Univ. Nagasaki Jpn
-
内山 勇
(財)環日本海環境協力センター:(現)富山県水産試験場
-
大西 美奈
長崎大学水産学部:(現)npo法人オーシャンファミリー海洋自然体験センター
-
白山 肇
(財)環日本海環境協力センター:(現)大東文化大学環境創造学部
関連論文
- 有明海湾奥部における表層低塩分水の水平収束・発散とクロロフィルa濃度の関係
- 有明海における透明度の長期的上昇傾向及び赤潮発生との関連
- ADEOS-II/GLIプロジェクトの概要とハイライト
- 海色データから推定した大村湾のクロロフィルa濃度の検証
- 現場と衛星データによる対馬海峡周辺のクロロフィルa変動の把握
- 東中国海の基礎生産に対する黒潮中深層起源の栄養塩の寄与について
- 九州沖縄地区合同シンポジウム 「有明海の海洋環境」
- Validation of ADEOS-II GLI Ocean Color Products Using In-Situ Observations
- C162 長崎地方における2005年春の黄砂現象の特徴(物質循環II)
- P124 長崎県地方における黄砂を含む大気エアロゾルの光学的・物理的特性
- B312 長崎地方における2004年春季の黄砂現象の特徴(アジアンダスト気候学,スペシャルセッション「アジアンダスト」I)
- P174 九州西海岸地方における2003年春の黄砂現象
- P116 長崎地方における2002年の黄砂現象の特徴
- 衛星による韓国南岸の Cochlodinium polykrikoides 赤潮のモニタリング
- 長崎県形上湾の植物プランクトン種組成と赤潮形成種の増殖環境(2004-2006)
- 水相からの微小有機イオン会合体相の形成を利用する抽出/環境計測法の開発(1)河川水中の微量アンモニアの前濃縮/吸光光度定量
- 膜捕集を利用する高感度簡易分析法の設計 (ダウンサイズ化する分析化学)
- キサンツレン酸結合型シリカゲルの合成とその環境水中の微量金属の前濃縮/定量への応用
- 溶媒不溶性及び可溶性膜を用いる陰イオン界面活性剤共存下での水中の陽イオン界面活性剤の分離と吸光光度定量
- オンライン膜濃縮/酸溶出による水中の微量亜硝酸イオンの吸光光度定量
- 1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリンと4-アミノ安息香酸を用いる8-キノリノール結合型シリカゲルの合成とカラム濃縮/誘導結合プラズマ発光分析法による水中の微量バナジウムの定量
- 溶媒可溶性メンブランフィルターを用いる水中の微量チウラムの前濃縮/吸光光度定量
- 膜による固相抽出の設計と微量成分分析への応用
- イオン対の固相抽出に及ぼす水中の微量の溶媒の効果
- 可溶性フィルターを用いる水中の亜硝酸イオンの濃縮/吸光光度定量
- 有明海と東シナ海の海洋環境のリモートセンシング
- 環境観測技術衛星(みどりII)のグローバルイメージャ(GLI)のための海色研究
- 特集「河川, 陸域での水循環と海洋環境とのつながりについて」を組むにあたって
- III-4. メソコスムによる混合群集影響(III. 生物への影響)(二酸化炭素の海洋隔離技術と生物への影響)
- GLI海洋プロダクトの開発と利用研究(宇宙応用シンポジウム : ADEOS-II)
- 衛星による観測--低塩分水の分布とクロロフィル (総特集 東シナ海における海洋観測--現在と将来)
- 衛星データを用いた富山湾における富栄養化のモニタリング(シンポジウム:沿岸海域の基礎生産研究の新しい展開)
- 沿岸域の衛星基礎生産アルゴリズム(シンポジウム:沿岸海域の基礎生産研究の新しい展開)
- 海色衛星によって観測された富山湾における1998年と1999年のクロロフィルα濃度分布
- Satellite Detection of Red Tide in Ariake Sound, 1998-2001
- 有明海の赤潮リモートセンシング
- サテライトから見た有明海の赤潮動態(シンポジウム:沿岸海洋学からみた有明海問題)
- GISと海色衛星の赤潮モニタリングへの応用 (総特集 海洋GISと空間解析--そのサイエンスと未来)
- 宇宙から見た有明海の赤潮 (総特集 有明海の環境と生物生産)
- 海洋リモートセンシング : 第4回 基礎生産
- 東シナ海縁辺部におけるクロロフィルの増加要因 (総特集 黒潮の生物輸送と生産機能) -- (6章 黒潮流域の低次生物生産とその生態学的機能)
- 沿岸域での海色リモートセンシングの現状と将来(シンポジウム:沿岸海域の衛星海洋学)
- 海色画像による赤潮監視の可能性(シンポジウム:沿岸海域の衛星海洋学)
- C02海洋隔離--隔離技術と生物影響について (総特集 CO2海洋隔離--隔離技術と生物影響について)
- 東シナ海における溶存有機物(CDOM)の光学的特性と人工衛星を利用したCDOMの応用
- 夏季東シナ海における有色溶存有機物(CDOM)の光学的特性と海色衛星を利用したその分布推定
- CZCS画像による日本海における植物プランクトン色素濃度の時空間変動解析(Journal of Oceanography Vol.56(2000))
- 人工衛星による地球規模の海洋基礎生産推定 (特集 海色リモートセンシングと海洋基礎生産力)
- 海色リモートセンシング--現状と今後の課題 (総特集 海色リモートセンシング--現状と今後の課題)
- リモートセンシングによる海洋生物モニタリングのための組織化と国際対応
- 水相からの微小有機イオン会合体相の形成を利用する抽出/環境計測法の開発(2)環境水中の微量亜硝酸の前濃縮/吸光光度定量
- 溶媒可溶性メンブランフィルターを用いる水中の微量鉄(II)の迅速・簡易な前濃縮吸光光度定量
- III-5. 中深層プランクトンへの影響(III. 生物への影響)(二酸化炭素の海洋隔離技術と生物への影響)
- 中深層プランクトンに対する二酸化炭素の急性影響実験の試み
- 富山湾の海水温度・塩分の季節変動特性-第2報 : 実習船「さざなみ」による海洋環境計測
- 2-(2-ピリジルアゾ)-5-アミノフェノール誘導体のコバルト錯体を用いる陰イオン界面活性剤のイオン対抽出
- Optical Properties of the Red Tide in Isahaya Bay, South-western Japan : Influence of Chlorophyll a Concentration
- Possibility of Recent Changes in Vertical Distribution and Size Composition of Chlorophyll-a in the Western North Pacific Region
- Abundance and community structure of chaetognaths from the epipelagic through abyssopelagic zones in the western North Pacific and its adjacent seas
- Lethality of Increasing CO_2 Levels on Deep-Sea Copepods in the Western North Pacific
- Latitudinal Differences in the Planktonic Biomass and Community Structure Down to the Greater Depths in the Western North Pacific
- Calibration and Validation of the Ocean Color Version-3 Product from ADEOS OCTS
- Distribution of Changjiang Diluted Water Detected by Satellite Chlorophyll-a and Its Interannual Variation during 1998-2007
- Micro-organic Ion-associate Phase Extraction via in situ Fresh Phase Formation for the Preconcentration and Determination of Di (2-ethylhexyl) phthalate in River Water by HPLC
- Optimal Primary Production Model and Parameterization in the Eastern East China Sea
- Estimation Chlorophyll-a Vertical Profiles from Satellite Data and the Implication for Primary Production in the Kuroshio Front of the East China Sea
- 衛星から見た北西太平洋における基礎生産の時間変動
- 衛星から見た東シナ海における植物プランクトンの変動要因
- Temporal and Spatial Variabikity of Phytoplankton Pigment Concentrations in the Japan Sea Derived from CZCS Images
- 衛星観測による植物プランクトンの生物量と生産力の把握 (総特集 海洋植物プランクトン(2)その分類・生理・生態) -- (3章 海洋植物プランクトンの生態)
- 地球観測衛星「みどり」による海洋クロロフィル観測と地球環境 (特集 衛星観測による地球環境の解明)
- 近未来センサーへの期待と応用可能性:GLI (総特集 海色リモートセンシング--現状と今後の課題)
- Extraction and Separation of Cationic Surfactants from River Sediments: Application to a Spectrophotometric Determination of Cationic Surfactant in an Aquatic Environment Using Membrane Filters
- 春-夏季東シナ海における海色衛星を利用した低塩分水の分布変動と大型クラゲ (Nemopilema nomurai) 分布との関係
- 水中の微量金属の前濃縮を目的としたより汚染の少ない8-キノリノール結合型吸着剤
- 富山湾の水塊構造と河川水・沿岸海底湧水による淡水フラックス(沿岸海底湧水の地球科学)
- 簡易分析法 - 水試料の分析を中心として -
- Distribution of an Ion Pair onto Cellulose Derivatives Comprising a Nitro Group
- 福井県内の分析化学者を訪ねて(福井大学・福井県立大学・福井工業高等専門学校の仲間達)
- 「分析中部・ゆめ21」第4回分析化学フォーラムin北陸
- EDTAによる環境汚染の懸念
- Empirical ocean-color algorithms to retrieve chlorophyll-a, total suspended matter, and colored dissolved organic matter absorption coefficient in the Yellow and East China Seas
- 岡田賞受賞者からの提言(21世紀の海洋学の展望1)