運動負荷による虚血性心疾患の心予備能評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
健常60例および前壁心筋梗塞46例,労作性狭心症26例を対象に臥位自転車エルゴメーターを用いた多段階運動負荷を行い,運動中の血行動態を測定した。運動負荷は自覚的最大まで行うことを原則としたが,虚血性心疾患では,胸痛および0.2mV以上のST偏位出現時に中止とした。運動中は,血圧,心拍数,色素稀釈法による心拍出量,左室収縮期時相分析値STI, RI法を用いた核聴診器による左室駆出分画および肺動脈圧を測定した。その結果,(1)血圧は運動とともに上昇したが,左心機能の極端に悪い例で収縮期血圧の進行性低下を認めた。虚血性心疾患で,運動中の拡張期血圧が105mmHg以上に上昇する例が多かった。(2)虚血性心疾患で,心係数や一回抽出係数の増加度が低かった。(3)駆血期ETは,健常と虚血性心疾患に差はなかった。しかし,虚血性心疾患では,前駆血期PEPの早期横ばい傾向とET/PEPの早期低下傾向を示した。(4)左室駆出分画は,健常では運動中上昇したが,虚血性心疾患では,運動初期より低下傾向を示した。(5)運動中の肺動脈圧の上昇度は,重症例で強かった。以上の内,特に,運動中の拡張期血圧の上昇度,一回拍出係数,ET/PEPおよび左室駆出分画の変化パターンをみることにより,虚血性心疾患の心予備能を評価することが可能であると思われた。
- 千葉大学の論文
著者
関連論文
- 4.左房内血栓を伴う僧帽弁狭窄症の1剖検例(第739回千葉医学会例会・第8回千葉大学第三内科懇話会)
- 20.運動負荷心エコー(第758回千葉医学会例会・第9回千葉大学第三内科懇話会)
- 19.健常例のエルゴメーター : 臥位と坐位の比較(第723回千葉医学会例会・第7回千葉大学第三内科懇話会)
- 運動負荷による虚血性心疾患の心予備能評価
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し