金融制度の進化ゲーム論による検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文は、進化ゲームの考え方を用いて、金融制度の発展の方向性について何らかのインプリケーションが抽出できないか、考察した試論である。1では、まず進化ゲームの基本的考え方を説明した。進化安定性の概念、ナッシュ均衡解との関連などが議論の中心である。2では、さらにレプリケーションという概念を説明している。3では、こうした準備を整えて、金融制度の発展の方向性を進化ゲーム論的に検討、直接金融型均衡解と間接金融型均衡解の二つが発生する可能性を示した。4では、危険支配戦略均衡や確率的社会安定状態という概念を提示、前節での分析で示された二つの均衡解の内、間接金融均衡解のみが社会的安定性を満たす可能性を論じている。結論として、金融システムの最終的進化の姿は、取引で発生するデフォルトリスクへの金融機関、資金需要者の動学的対応の中で形成されることを示唆した。5では、実際の金融制度と本稿の分析とを比較、検討、日本の金融制度の将来設計について、二つの異なる考え方を示した。
- 2004-03-25
著者
関連論文
- 金融制度の進化ゲーム論による検討
- 為替レートと景気変動
- マンデル・フレミングモデルとその評価
- DOLSによる国際的経済ショックの波及ルート分析
- 国際資本移動と国際通貨制度
- グローバリゼーションと国際株式投資
- ホーム・バイアスの最近の理論展開
- 国際資金フローと金融市場