焼酎粕がルーメン微生物による必須アミノ酸合成量に及ぼす影響
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概要
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In vitro experiments were conducted to examine an effect of freeze-dried shochu distiller's by-product (SDB) on the production of some essential and semi-essential amino acids by rumen microorganisms. Since the microbial composition of the rumens of cattle, sheep and goats is thought to be almost similar, suspensions of the mixed rumen bacteria (B system) and the mixed microorganisms consisting of rumen bacteria and protozoa (BP system) were prepared from the rumen contents of fistulated goats. SDB was a freeze-dried powder of the mixture of the same weights of buckwheat shochu istiller's condensed solubles and its cake. Proximate analysis of SDB indicated that crude protein and nitrogen-free extractives were about 47 and 31% in dry matter, respectively. The effect of SDB on the production of amino acids by rumen microorganisms was examined by determining the productions of tryptophan from indolepyruvate, phenylalanine from phenylacetate, tyrosine from p-hydroxyphenylpyvate and lysine from 2, 6-diaminopimelic acid in the supernatant fuids of the incubations and hydrolysates of microbial protein during a 12h incubation period of B and BP systems at 39℃ with and without 1% (w/v) SDB powder. In addition, since vitamin B6 has been known to stimulate the production of amino acids by rumen microorganisms, the effect of simultaneous addition of SDB and vitamin B6 on the production of these amino acids was also examined. As a result, it was revealed that the addition of SDB powder significantly (p<0.05) stimulated the production of these amino acids in both systems by 10-39%. Simultaneous addition of SDB and vitamin B6 further stimulated their production by 17-64% (P<0.05). Therefore the substances in SDB which were effective seemed to be different from vitamin B6. This is the first evidence that SDB stimulates the production of some essential and semi-essential amino acids by rumen micororganisms. The results of the present experiments strongly suggest that SDB may stimulate the growth of ruminant animals. ソバ焼酎粕凍結乾燥粉末を用いて焼酎粕がルーメン微生物による必須アミノ酸および準必須アミノ酸の合成に及ぼす影響を検討した. 牛, 山羊, 緬羊では第一胃(ルーメン) 内微生物の構成がほぼ同じと考えられているので, 本実験に用いた混合ルーメンバクテリア単独懸濁液 (バクテリア単独系) および混合ルーメンバクテリア・プロトゾア共存懸濁液 (バクテリア・プロトゾア共存系) は, 実験動物として飼育しているフィステルを装着した山羊のルーメン内容物から調製した.焼酎粕凍結乾燥粉末は, ソバ焼酎粕濃縮液および同脱水ケーキの等重量混合物を凍結乾燥して, 乳鉢で粉末状にしたものを用いた. 焼酎粕の一般成分の特徴は,粗タンパク質が乾物あたりで約47%と高いこと, 可溶無窒素物も約31%も含まれることであった. ルーメン微生物よるアミノ酸合成に及ぼす焼酎粕の影響は, バクテリア単独系およびバクテリア・プロトゾア共存系によるインドールピルビン酸を基質とした場合のトリプトファン合成量, フェニルピルビン酸を基質とした場合のフェニルアラニン合成量, p-ヒドロキシフェニルピルビン酸を基質とした場合のチロシン合成量および2,6-ジアミノピメリン酸を基質とした場合のリジン合成量を焼酎粕凍結乾燥粉末 (1 %, w/v)存否の条件で検討した. また, ビタミンB6がルーメン微生物のアミノ酸合成を促進することが知られているので, 焼酎粕凍結乾燥粉末とビタミンB6を同時に添加した場合の合成量についても検討した. その結果,上記のいずれのアミノ酸も焼酎粕凍結乾燥粉末添加により有意 (P<0.05) に10~39%も合成が促進されることが明らかになった. 焼酎粕凍結乾燥粉末とビタミンB6を同時に添加するとさらに17~64%も有意 (P<0.05) にアミノ酸合成が促進された. したがって, 焼酎粕凍結乾燥粉末に含まれていたアミノ酸合成促進物質はビタミンB6以外の化合物であると考えられた.本研究により, 世界で初めて, 焼酎粕がルーメン微生物の必須アミノ酸および準必須アミノ酸の合成を促進する機能性をもつことが明らかにされた. また, このことは, 焼酎粕が反芻動物の成長促進機能を有することを強く示唆している.
- 宮崎大学の論文
著者
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甲斐 孝憲
雲海酒造株式会社
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川村 修
宮崎大学農学部
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小野寺 良次
宮崎大学農学部動物生産科学講座
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長谷川 信美
宮崎大学農学部動物生産科学講座
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藤代 剛
宮崎大学農学部附属農場住吉牧場
-
稲澤 昭
東洋ダイナム株式会社九州支店
-
森下 敏朗
宮崎県食品開発センター
-
矢野 光紘
宮崎県経済農業協同組合連合会
-
山下 實
雲海酒造株式会社
-
甲斐 孝憲
雲海酒造(株)
-
藤代 剛
宮崎大 農 住吉フィールド
-
稲沢 昭
東洋ダイナム
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カーン ロキブル
宮崎大学農学部
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長谷川 信美
宮崎大農
-
長谷川 信美
宮崎大学農学部
-
川村 修
宮崎大農
-
モハマド ナジムデイン
宮崎大学農学部家畜機能開発学講座
-
河上 雅治
宮崎大学農学部家畜機能開発学講座
-
奥田 道緒
東洋ダイナム株式会社九州支店
-
河野 幹雄
宮崎県食品加工研究開発センター
-
片山 英美
宮崎大学農学部附属農場住吉牧場
-
萩原 昭英
宮崎県経済農業協同組合連合会
-
小野寺 良次
宮崎大学農学部食料生産科学科
-
片山 英美
宮崎大学農学部
-
稲澤 昭
東洋ダイナム株式会社
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小野寺 良次
宮崎大学農学部
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藤代 剛
宮崎大学農学部
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甲斐 孝憲
雲海酒造
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