一等三角点の改測資料による日本列島の水平変動の解析(<特集>東アジア大陸縁〜太平洋の地質形成過程と深部要因)
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概要
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日本列島の一等三角点は,全国に40〜50km間隔で埋設され,1895年,1958年,1979年前後に測量が行われた.それらの測量結果を用い,隣り合う3点で構成された三角形領域内の面積歪み,最大せん断歪み,および主歪み軸の大きさとその方向を求めた.まず面積歪みの解析結果に基づいて,日本列島を数100kmくらいの広さの領域に分割した.第1期に膨張,収縮を示した地域は,第2期にはそれが反転する傾向がある.その際,変動する境界はほとんど移動しない.次に,被害地震は主に10^<-5>以上の最大せん断歪み持つ領域で発生し,その領域は面積歪みの膨張・収縮の境界部であることを示した.これは,面積歪みの解析に基づく,日本列島がいくつかの領域に分割されているという我々の結果を支持する.また,膨張域と収縮域は水準点変動の隆起と沈降にそれぞれ対応し,その変動は日本列島の地下深部の運動に関連していると思われる.
- 2006-05-25
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