マサキのシュートにおける管束の走行様式
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概要
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マサキのシュートにおける一次管束の走行様式について調査した。マサキは対生葉序をもつが,第1節に付く葉は極端に小さく,異形葉性がみられる。第2節に葉が形成されるまでの若い実生の下胚軸とシュートを結ぶ軸の中には,2つの独立した管束系が存在する。この2つの系は2杖の子葉の中肋を含む面に直交する面によって分けられている。第2節より上の節に付く葉には,シンポジウムから分枝した2本の葉跡が,その葉の形成開始と同時に供給され,節は初期から2葉跡1葉隙型である。しかし第1節に付く葉には,その葉の形成開始時には1木の葉跡しか供給されないが,後に二次的に葉跡が形成される。第1節は初期には1葉跡1葉隙型であるが,後に2葉跡1葉隙型に変わる。このような解剖学的な相違が異形葉性をもたらせる原因の一つと考えられる。またこの二次的に後に形成される葉跡によって軸中の2つの管束系が結び付けられる。この連絡が完成して,マサキは典型的な閉鎖型の管束走行をもつことになる。
- 横浜国立大学の論文
- 1985-10-30
著者
-
佐藤 嘉彦
Department Of Biology Faculty Of Education Yokohama National University
-
松原 幸隆
Yokohama Junior High School
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