日本海沿岸地域の海成段丘と第四紀地殼変動その1.朝日山地西縁地域
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概要
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以上を要約するとつぎのようになる。1)朝日山地西縁の海成段丘は,低位段丘,中位段丘(M1, M2, M3に細分),高位段丘群に分類できる。地形と段丘堆積層の状態から,低位段丘は沖積世海進に,M1面はいわゆる下末吉海進時に形成されたものと考えられる。2)段丘の分布状態,高度などから本地域は北部山地と南部の蒲萄山地とに大別できる。蒲萄山地では,旧汀線高度は高位段丘で140〜100m,M1面で60mから30m余り,M2面で50〜40mとなり,どの面も同じ様式で変形をしている。沖積段丘の高度は10m以下である。第四紀後半の間蒲萄山地の概形を成長させる方向で上昇を続けたもののようである。3)北部山地には中位段丘に当る地形が見当らず,約100m以上の高さに高位段丘群が散在する。蒲萄山地とくらべ上昇量はやや小さかった可能性がある。4)両山地とも段丘形成期である第四紀後半には隆起的傾向にあった。地震時および地震直後の沈降は何れも地域全体の沈降ではなくて海岸付近についてであり,これは山地の西方への傾動から生ずる相対的なものであろう。5)本地域には崩壊地が多く,段丘面の認定にはとくに注意が必変である。
- 1971-12-28
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