中小金融機関と企業再生金融に関する一考察
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概要
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ここ数年、中小金融機関の破たん、経営統合が進んでいる。一方、都市銀行では不良債権処理が一段落し、自己資本比率も改善に向かって、明るい兆しを見せている。株価が1万5000円台に回復し、企業の収益上昇→株価上昇という動きも見られ、金融機関の保有する債権の質の改善も進んでいる。その意味で、不良債権処理も進み、金融業の業績回復の追い風も吹きはじめていると言えよう。私が、ここで指摘したい問題は、中小金融機関の収益構造の収益増の柱として期待されている企業再生金融という事業に関わる事柄である。周知のようにこの事業は、中小金融機関がリレーションシップバンキングを目指していく上で、収益の柱として置かれる部門と考えられている。本稿で明らかにしたいことは、再生したい企業の負債を証券化あるいは、新規の債務に変換させる作業は、経済学では、誰がいままでの失敗のコストを負担するのかということが、その裏ではなされていなければならないはずである。そうした作業を担う当該金融機関には、高度な調査、審査能力が必要なことはもちろん、法律、会計に亘る交渉能力が求められる。すべての中小金融機関がこの業務を担うことができるかのごとく、一部メディアでは取り上げられているが、その企業の再生の金融サービスを扱う際の問題点の議論は尽されていないように思う。本論では、上記の動機から、中小金融機関が企業を再生する際の問題点を明らかにすることを主眼としている。それは、同時に中小金融機関に必要な経営能力とは何かという点をつまびらかにすることになろう。結論だけを述べれば、日本の中小金融機関は、いまのままでは再生金融に関与する事態を想定できないことが導びかれることになる。本稿では、その点だけを金融機関のインセンティブの点から明らかにすることを努め、現状の制度の枠組みの不備を指摘することに留めておく。
- 2006-03-23
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